【1】
グレープフルーツやオレンジのジュースばかり飲んでいます。悪影響はありますか?
つわりの時期は飲みやすいもの、食べやすいもので栄養や水分を補うしかありません。この時期、胎児は小さいので、お母さんの食事がままならなくても発育に影響はありません。かんきつ類のジュースはビタミンCや葉酸が多いので、妊娠中は、毎日コップ1〜2杯飲むのを習慣にしてもよいでしょう。それ以上の摂取は糖分のとり過ぎになるので、つわりの時期は仕方ないにしても、つわりがおさまったら、目安量を守りましょう。果実としての目安量は1日200gくらいです。グレープフルーツなら大1個、オレンジなら1個半くらいに相当します。
【2】
赤ちゃんができやすくなるような食材、もしくは栄養素などはありますか?
赤ちゃんができるには、健康で、生理も定期的にくる(定期的な排卵がある)状態がベストです。そのためには1日3食、バランスよく、楽しく食べることが何より大事でしょう。ごはんやパン、麺などの「主食」のほかに、肉や魚、大豆、卵などたんぱく質源中心の「主菜」、野菜やきのこ、海藻類などが中心の「副菜」がそろう食事が理想です。その上で性ホルモンの分泌や生成にかかわり、生殖機能を維持する働きのあるビタミンEを補うことを心がけましょう。ビタミンEはナッツ類、さんまやいわしなどの青背魚、オリーブ油やコーン油、サフラワー油などの植物油、かぼちゃ、さつまいも、アボカド、青菜類などに含まれます。これらの食品を食べたから必ず妊娠するとはいえませんが、妊娠を迎える身体づくりにマイナスになることはありません。
【3】
母乳がでやすくなるような食べ物があれば、教えてください。
母乳をつくりだすには非妊娠時に比べて600kcal、つまり1食分に相当するエネルギーを余分にとらなければなりません。母乳が出やすくなる特定の食品はありませんが、まずエネルギーを補うために、主食であるごはんやパン、麺など炭水化物を多く含む食品を毎食きちんととることが大事です。また1日3食以外でもおにぎりやサンドイッチ、うどんなどをとるようにしましょう。水分を充分にとることも必要です。麦茶やほうじ茶、水などカフェインの少ない飲み物や、できれば牛乳を200〜300mlはとりましょう。
【4】
食の好みが変わる理由を教えてください。
妊娠による食の好みの変化には、これといった裏づけが実はありません。一般的に、つわりで食欲がないときは、冷たくて酸味のあるものや甘いものを選ぶ傾向が強いようです。また、妊娠すると体重管理のことが気になり、非妊娠時より食べ物の選択に気を使うようになりますので、これまで好まなかったものに興味がでたり、食べたくなることもあるようです。
【5】
妊娠中、食事の量は気をつけるべきでしょうか?
妊娠中の食事のポイントは「量より質」を高めることです。1日の総エネルギーは非妊娠時より350kcal多いだけで、これはご飯大盛1膳(200g)くらいです。つまりお腹の赤ちゃんのために、と2人分も食べていたら食べ過ぎです。食べ過ぎは必要以上に体脂肪や体重を増やし、妊娠中、出産時だけでなく産後のトラブルの原因にもなります。妊娠中は、妊娠中毒症や妊娠糖尿病を招きやすくなります。出産時は、胎児が大きくなり過ぎたり、産道に脂肪がついて胎児が出てきにくくなり難産になる傾向があります。産後は、体重の戻りが悪くなりがちです。鉄やカルシウム、食物繊維の多い食品を食べるようにして、量よりも質のよい食事を心がけましょう。
【6】
妊娠中、「すっぱいものが欲しくなる」理由を教えてください。
「すっぱいものが食べたくなる」とよく聞きますが、これといった理由はありません。強いていえば、妊娠によるホルモンや体質、環境、精神的な変化によるものなのでしょう。酸味のあるものや冷たい水分は、つわりの時の胸やけや口の中のネバネバした感じをさっぱりとさせてくれるからかもしれません。料理に酢を使う、かんきつ類の果物を食べる、などすっぱいものを食べることは、[1]疲れの回復を早めるクエン酸が補える、[2]かんきつ類の果物はストレスを緩和したり、鉄の吸収を助けるビタミンC源になる、[3]オレンジは貧血予防に効果的な葉酸が豊富、など妊婦にとってプラスになることが多いといえます。
【7】
母乳の適量、というのはありますか?
身長、体重の増加が順調ならば、たとえミルクを欲しがらなくとも、母乳で十分足りていると考えましょう。母乳不足のサインは、[1]授乳時間が20分以上(寝つくとき以外)、[2]授乳間隔が1〜2時間と短い、[3]体重が増えない(3ヶ月ごろまでは1日平均30gくらい増えます)、[4]お乳がはってこない、[5]授乳後すぐに泣いたり、眠りが浅く、赤ちゃんが不機嫌になる、[6]便の回数や量が少なくなる、などです。母乳の1日あたりの適量は、理想的には140〜160mlを3時間おきに6回くらいです。実際、量をはかることはできないので、前述のサインを目安にして、足りないようならミルクを足しましょう。
【8】
妊娠初期に摂取してはいけないもの、控えたほうがよいものを教えてください。
[1]妊娠初期に限らず、妊娠、授乳中を通して、喫煙はやめましょう。タバコのさまざまな成分により、低出生体重児(2,500g未満)が生まれる確率が高くなるといわれています。[2]薬は基本的に避けたほうがよいのですが、妊娠中でも体調や病気によっては必要な場合もあるので、産婦人科の主治医に処方された薬ならば指示通り服用しましょう。[3]アルコールは少量なら大丈夫、といわれていますが、習慣性があり、次第に飲む量が増えることもあるので、できればやめたほうがよいでしょう。[4]妊娠初期のビタミンAの過剰摂取は奇形児を産む確率が高くなります。サプリメントでの摂取はもちろん、レバーなどビタミンAが多く含まれる食品を頻繁に食べたり、たくさんの量をとることはおすすめできません。
【9】
妊娠中、少量のアルコールなら飲んでもよいのでしょうか?
アルコールは胎盤を通して赤ちゃんにも移行します。アルコールが胎児に与える影響は個人差がありますが、アルコール依存レベルの母親から生まれた赤ちゃんの30〜40%に発育障害や知的障害をもつ胎児性アルコール症候群が見られます。アルコールには習慣性があり、続けて飲んでいると、量が増えていく傾向があります。たまにグラス1杯程度のお酒を楽しむのは、つき合いやリラックスする上でよいかもしれませんが、妊婦本人や周囲の人も限度をわきまえ、一口といえども毎日飲むことはやめましょう。