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気になるカラダのお悩み、“未病”をケアする自然の知恵 「漢方&ハーブのカルテ」

生薬が体にやさしいのは、自然生まれであることはもちろん、「続けることで、体質そのものを改善する」という考えのもとに作られているから。

今回は、「体質だから」と見過ごしがちになる3つの体調不良について、生薬の視点から、原因や改善のポイントなどをご紹介します。

漢方&ハーブは、薬としてはもちろん、食生活など暮らしの中で楽しみながら取り入れられるもの。毎日続けることで、体のうれしい変化を実感してみましょう。

冷え

東洋医学では立派な「病気」!カラダと“冷え”の関係。

夏でもオフィスでブランケットが手放せなかったり、おふろに入ったばかりなのに手足がすぐに冷えてしまったり--。冷えを気にする人はたくさんいるから、とあたりまえに思っていたり、体質だから、とあきらめていませんか?
でも冷えは、東洋医学の世界では漢方院へ通って治療するもの、とされているれっきとした病気なのです。

冷えのタイプはさまざまですが、大きく分けると、ダイエットや運動不足で「体に冷えをため込んでいく」タイプと、低血圧や貧血などで「熱をつくる力が低下している」タイプに分けられます。
さらに、おふろをシャワーですませたり、冷たいものや甘いものばかりを好む食生活、冬場の薄着など、普段の生活にも冷えにつながる原因はたくさん。

体に負担をかけず、体質から冷えを改善するには、温かいハーブティーを飲んでリラックスするなど、ふだんの生活に取り入れやすい方法から始めるのがおすすめ。また、冷え対策の漢方薬は比較的市販でも手に入りやすいので、医師や薬剤師に相談しながら自分の体質に合ったものを見つけていくのもいいでしょう。

冷えないカラダをめざす!生活改善ポイント

  • スカーフで血流アップ! 首の後ろには太い血管があるので、スカーフなどで温めると全身の血行がよくなります。エアコンの冷えにも効果的。
  • 半身浴で発汗! 心臓に負担をかけず、長く入浴できる半身浴。最初は汗をかきにくい人も、続けるうちにたくさん汗をかき、体が芯から温まるように。
  • 適度な運動を! 熱をつくる力がある筋肉を動かせば、自然と体も温まります。時間がない人は、オフィスや外出先のトイレなどで屈伸運動をするだけでも効果あり。
  • 腹巻き&インナーを活用! アウターに響かない絹の腹巻きやキャミソールで重ね着すれば、お腹だけでなく胴回り全体を温める効果が期待できます。
  • 水の飲みすぎに注意! 「のどが渇いたな」と思っても、がぶがぶ飲むのはNG。余分な水分は控え、温かいお茶などをゆっくりいただきましょう。
  • ナマ足は極力さけて! ストッキングやタイツを履くだけでもずいぶんと冷え予防になります。どうしても素足で、という時は、帰宅後のバスタイムで足を温めて。
  • 締めつけ下着はNG! サイズの小さい下着は体を締めつけ、血行不良の原因に。脱いだ時、肌に跡が残るようなら下着がきつい証拠です。
  • 簡単マッサージにトライ! 手を広げ、親指と人差し指が交わる点(合谷)が冷えに効くツボ。気持ちいいと感じる程度に、1日何度もマッサージしてみましょう。

毎日とりいれたい!「冷え」の生薬メモ

体を温めると言われる生薬はたくさんありますが、最も取り入れやすい代表選手は、「生姜」。生姜の独特な香り成分は、発汗をうながしたり体を温める効果があるとされ、さまざまな漢方薬にも広く調合されています。

おすすめの摂り方は、同じく体を温めると言われる紅茶との組み合わせ。熱い紅茶にすりおろした生姜を絞ったエキスを入れ、はちみつで甘みをつければおいしいジンジャーティーのできあがりです。

その他、お腹が冷えやすく栄養が熱に変わりにくいタイプの人には、消化・吸収機能を高める大根や人参がおすすめ。腎や膀胱が弱く、代謝の滞りから冷えを招くタイプの人はヤマイモを積極的に摂りましょう。また、女性に多いのが婦人科系の不調からくる冷え。このタイプの人には、体を温めると言われるベニバナやサフランがおすすめです。

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むくみ

水分バランスの乱れは、体調の乱れ。「漢方茶」を取り入れ、巡るカラダに。

むくみは、水分代謝がわるくなり、体に水分がたまりすぎた状態。東洋医学では、体内の水分バランスが崩れると、めまいやだるさ、水太りなどにつながると言われ、最も気をつけたい症状のひとつと捉えられています。

「朝はすっと履けた靴が、夕方になるときつく感じる」という程度のむくみは、翌朝に解消しているのであれば誰にでもあることですが、くつ下の跡が消えないほどパンパンになったり、足がだるくて眠れない、翌朝になってもむくんだ感じがする、といった覚えがあれば、生薬や東洋医学のちからを借りて体の中から改善していく必要があるかもしれません。
さらに発熱や息切れをともなう場合は、思わぬ病気のサインという可能性も!気になる人は、早めに医師の診断をあおぎましょう。

東洋医学でむくみ対策としてよく用いられるのが「漢方茶」。とりすぎた塩分や脂肪を体の外へ出すと言われるプーアール茶をはじめ、利尿作用の高いもの、発汗を促うながすものなど、市販でもさまざまな種類が揃っているのでティータイムや食事に気軽に取り入れて。

あなたはいくつ?むくみ度チェック

ストレスがたまっている疲れやストレスがたまっていると、自律神経のバランスが崩れ、体の水分を調節するちからが低下する原因に。

タイトな服装が多いきつい下着や先の細い靴などを長時間着けていると、血液やリンパのスムーズな流れを妨げ、むくみを引き起こすことに

立ち仕事が多い立ちっぱなしや外まわりが続くと、筋肉が疲れて血液の循環が悪くなることも。

濃い味が好き塩の主成分、ナトリウムは体の中に水分をため込む作用が。摂りすぎるとむくみの原因となってしまいます。

デスクワークが多い座ったままなど、同じ姿勢を続けていると、筋肉を使わないため血流が滞り、水分がたまりやすくなります。

お酒大好き!利尿効果があると言われるお酒ですが、飲みすぎると体が水分不足の状態になり、水分の吸収が過剰になって逆にむくみやすくなります。

冷え性が気になる体が冷えると血行が悪くなり、余分な水分が体内に残ったままになってしまいます。

ダイエット中極端なダイエットで肉類などのタンパク質をセーブすると、血液中のタンパク質が減って体内の水分バランスが崩れてしまいます。

※ ひとつでもあてはまる項目がある人は、むくみ改善を目標にライフスタイルを見直してみましょう。

毎日とりいれたい!「むくみ」の生薬メモ

体の水分を排出する利尿効果が高く、むくみやすい妊婦などにもすすめられているのが、「小豆」。1月15日の小正月に小豆粥を食べる習慣もあるなど、食べすぎ、飲みすぎのお正月太りをリセットしてくれる食材として古くから用いられてきました。

市販のあんこは体を冷やすと言われる白砂糖がたっぷり入っているので、小豆の効果を実感するなら自宅で「煮あずき」を作るのがおすすめ。黒砂糖や黒みつなど、自然に近い色がそのまま残った糖分と組み合わせて、おやつやお茶うけにどうぞ。

その他、利尿効果が高いとされているのは、はと麦、すいか、冬瓜など。はと麦は茹でてサラダにしたり、ゆで汁もスープにアレンジすれば栄養をまるごといただけます。スイカや冬瓜は皮をむき、すりばちなどで軽く崩したものを布で絞ったジュースを毎日飲むと、むくみ解消にとても効果的です。

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貧血

栄養&休息で、血液の質をアップ!美しい肌や髪をつくる、キレイの秘訣。

貧血は、その名のとおり体内の血液が足りない状態のこと。東洋医学の世界では貧血を“血虚(けっきょ)”と呼び、医師の指導のもとライフスタイルの見直しや漢方薬の処方などを行うケースも多い症状です。

なかでも、貧血対策に大切なのが食生活。「血」は食べ物から作られるのが基本で、バランスのとれた食事は全身に栄養や酸素をゆきわたらせ、体の健康はもちろん美しい肌や髪を保ってくれるのです。
さらに、仕事や家事がいそがしすぎたりストレスがたまるなど体やこころに負担がかかると、胃腸の吸収機能の低下から貧血になりやすいとも言われています。

「疲れやすくてなんとなくいつもだるい」「朝起きるのがつらくて、起きてもしばらくはボーっとしてしまう」など、ちょっと元気がなくなっている時は、まず鉄分やミネラルたっぷりの食材を使った食事を心がけ、できるだけゆっくり休むこと。外食が多くコントロールがむずかしい時は、ナッツやドライフルーツ、黒ごまを使ったお菓子などを上手に利用してみましょう。また、貧血は体が冷えやすい人に多いため、紅茶など発酵度の高いお茶も高い改善効果が期待できます。

鉄分たっぷり!おすすめ食材図鑑

1日に必要な鉄分は、女性が12g、男性が11g。食事から効率よく摂るには、動物性の食材と植物性の食材をバランスよく組み合わせることが大切です。また、血をつくる作用がある良質のタンパク質や、鉄の吸収を助けるビタミンCなども合わせていただきましょう。

  • *動物性のおすすめ食材 カツオ アサリ カキ 鶏レバー 豚レバー ヘム鉄を多く含む!
  • *植物性のおすすめ食材 ひじき 切り干し大根 ほうれん草 大豆製品 非ヘム鉄を多く含む!
  • *鉄の吸収を助ける食材 いちご キウイフルーツ ブロッコリー 芽キャベツ ビタミンCを多く含む!
  • *造血を助ける食材 牛レバー 干しのり にんにく ビタミンB群を多く含む!

毎日とりいれたい!「貧血」の生薬メモ

貧血の改善に欠かせない栄養素、鉄分をたっぷり含むドライフルーツ。なかでもプルーンは鉄分を補給し、体内の血液を増やす効果があると言われ、女性はもちろん育ち盛りの子どもや乳幼児にもすすめられている食材です。

自然の甘みが詰まったプルーンは、そのままでもおいしくいただけるのがいいところ。おやつ代わりや小腹が減った時にいただくと、鉄分補給と同時に糖分や脂分のとりすぎを抑えることができます。

プルーンの他、生理中など女性特有の体調によって起こる貧血には、造血作用を促す成分が豊富と言われるレバーやよもぎ、サフランなどもおすすめ。一方、胃腸が弱く、食べ物から鉄分を摂取しずらいタイプの人は、大根や人参、山芋や梅干など消化・吸収を助ける素材を積極的に取り入れてみましょう。

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監修 南雲久美子先生(目黒西口クリニック院長)
なぐも・くみこ 1982年杏林大学医学部卒業。東京慈恵会医科大学、関東逓信病院、北里研究所
東洋医学総合研究所を経て、'96年に目黒西口クリニック(東京)を開業。
東洋医学と西洋医学を融合した治療を行っている。
著書に『冷え症・貧血・低血圧』(主婦の友社)など。

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