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起床後の習慣にしたい!ベッドの上でもできる「腰痛予防エクササイズ」

若い女性にも多い腰痛の悩み。朝のちょっとした時間を利用した簡単エクササイズで腰痛予防に取り組みましょう。「下半身の筋肉が硬いと、歩くことによる脚からの衝撃が腰骨にそのまま伝わるので、腰痛の原因の1つになります。ですから、下半身を中心に硬くなった筋肉をほぐすことが有効です。また、腰骨を前後からサポートする腹筋と背筋を鍛えることも腰痛予防になります」と語るのは、伊奈病院整形外科部長の石橋英明先生。朝起きた後、ベッドや布団の上でできる簡単エクササイズを紹介します。

 

※ストレッチの秒数・回数は目安です。無理をせずに自分のペースでゆっくり行いましょう。治療中の病気やけががあるなど、体調に不安がある場合は医師に相談してから実施してください。

起床時にベッドで行える腰痛予防エクササイズ

Q:腰痛を予防・改善するストレッチは?

腰痛予防・改善の要は、下半身の筋肉ほぐしから。筋肉が適度に緩むことで、歩行による腰への衝撃や骨のクッションとなる椎間板のゆがみが軽減されます。太ももや股関節、腰周りの筋肉を気持ちよくほぐしましょう!

 

エクササイズを行う際は、次の点を意識するようにします。

●息を吐きながら伸ばしている箇所を意識して、ゆっくりと行う。

●座って行うストレッチは、背すじを伸ばして行う。

●“いた気持ちいい”感覚をキープ。無理をしないこと。

<太もも裏側伸ばし>

20秒(左右10秒×1回ずつ)

1.右脚を前に伸ばし、左脚はひざを曲げた状態から外側に倒す。右ひざが浮き上がらないように両手で押さえる。

①右脚を前に伸ばし、左脚はひざを曲げた状態から外側に倒す。右ひざが浮き上がらないように両手で押さえる。

②背すじを伸ばし、息を吐きながら上体を前へ倒す。息を吸いながら元に戻る。左脚も同様に行う。

<太もも内側伸ばし>

20秒(10秒×2回)

①足の裏を合わせ、かかとと両ひざが一直線になるように座る。

②背すじを伸ばし、息を吐きながら上体を前へ倒す。息を吸いながら元に戻る。

<上体反らし>

50秒(10秒×5回)

①うつぶせに寝て、胸の横に両手をつけ、脇をしめてひじを立てる。

②息を吐きながら上体を反らす。あごが上がらないよう視線を真っすぐに。息を吸いながら元に戻る。

※太ももや足先にしびれを感じる場合は中止してください。

Q:腰痛を防ぐためのトレーニングは?

腰痛を防ぐためには、腰骨にかかる負担を軽減させることも大切。無理のない範囲で腹筋、背筋を強化することは腰痛予防に有効です。腹筋と背筋、どちらか1つを1日交代で行いましょう。

 

※ストレッチの秒数・回数は目安です。無理をせずに自分のペースでゆっくり行いましょう。治療中の病気やけががあるなど、体調に不安がある場合は医師に相談してから実施してください。

<腹筋=腹直筋>

1日10回

①仰向けに寝て両ひざを立て、両手を太ももに置く。

②へそが見える高さまでゆっくりと上体を起こす。お腹に力が入った上体で5秒間キープ。このとき、息を止めないようにする。

<背筋=脊柱起立筋>

1日10回

①うつぶせに寝て、腰の上で手のひらを上にして合わせる。

②ゆっくりと上体を反らし、背筋に力が入った状態で5秒間キープ。このとき、息を止めないようにする。

Q:腰痛を予防する日常生活の心得は?

鉄不足には赤身の肉を。

腰痛予防には、正しい姿勢を意識することが重要です。日常生活では、次のようなことを心がけましょう。

●前かがみの姿勢を続けない。

●いすに座るときは胸を張って姿勢を正す。

●重い荷物を持つときは、腰を曲げないように注意。

●ウォーキングをするときは、胸を張る。

監修/石橋英明先生(いしばし・ひであき)

伊奈病院整形外科部長。1988年東京大学医学部卒業。96年東京大学大学院医学研究科学位取得終了。99年東京都老人医療センター整形外科医長。04年伊奈病院整形外科部長。日本整形外科学会ロコモチャレンジ!推進協議会委員、公益財団法人「骨粗鬆症財団」監事。