

農教室と我が家の野菜を比べてみよう
農教室と並行して、我が家のベランダでもいくつかの野菜を育てている。今年は新たにじゃがいもと枝豆にも挑戦した。農教室でも作っているので、どんな違いがあったかまとめてみる。
じゃがいもは収穫量で大惨敗
農教室で最初に畑に植えたのはじゃがいもだった。それと同時期に、ベランダで育てることもスタートさせる。
今回はプランターではなく持ち手のついた麻のバッグを使用。ココヤシが原料の培養土を入れ、大量の水を加えてほぐす。種イモ1個は畑の時と同様に半分に切り、腐敗防止のために少し乾かしてから培養土に埋めた。
芽が出てきたら、芽かき(間引き)を行い、1/2個のじゃがいもにつき2本の芽を残す。あとは、バッグごと持ち上げてみて軽くなっていたら水を与えるだけ。
目が出て茎が15㎝程に伸びるまでは順調だったが、どうも背丈が低く葉の数も少ない。心なしか色も薄いような……。こんな状態で実に栄養が届くのか心配になる。畑のじゃがいもは最初に土に有機肥料をすき込んでいるのだが、我が家の場合は無農薬・有機栽培にこだわらず化学肥料も追肥して様子をみる。

元気だった頃の我が家のじゃがいも。すでに葉が少し黄色くなっている。
ある日、葉っぱに黒い点が発生した。黒点病だ。広がらないように傷んだ葉を落としたら、あまりにも貧相な様子に。どんどん衰えていき、1本、また1本と枯れていく。
一方、畑はどうかというと、茎は太く葉もみっしりと茂り、色が濃い。「病気も虫もどんとこい」という感じ。う~ん、ワイルド。6月の半ばには、収穫時期を迎えた。

4月下旬の時点での畑のじゃがいも。背丈も葉の色も厚みもかなり違う。
収穫は葉や茎が枯れてから。2人がかりで畝の両側からじゃがいもの根元付近にスコップを入れ、掘り起こしていく。土の中からは大小立派に育ったじゃがいもがゴロゴロ。一緒に、丸々と太ったミミズや何かの幼虫もウニョウニョ。正直気持ち悪いが、これも無農薬の土の豊かさの表れだろうとそっと埋め戻す。


メークインだけでこれだけの収穫量。サイズも立派!
収穫したじゃがいもの総量は分からないが、当日参加した数十人分+販売用の計80セットとフードバンクへの提供用を選り分け分けてもまだ余る。1人当たりのお持ち帰りは、メークインと北あかりの合計で3キロくらいにはなっただろうか。家で早速調理したが、洗うだけで皮がめくれる。試しにつまんでみたらするするとむけた。採れたてのじゃがいもは手で皮がむけるんだ!

ペリペリペリ~と薄~く向けてとても気持ちがいい。
その10日後、ベランダのじゃがいもがいよいよ枯れ切ってしまったので、収穫することにした。しかし、スコップで掘っても掘っても出てくるのは指の先ほどのベイビーサイズばかり。結果は写真のとおりで、全部合わせてもたった135gだった。畑とこんなに違うなんて……。

可哀そうなくらい小さくて数も少ないベランダのじゃがいも。
ベランダが東向きのため日当たりが足りなかったのか、肥料を与えるタイミングが遅かったのか、培養土のほぐし方が足りなかったのか。先輩や毎年のようにじゃがいもを育てている実家の母にも聞いてみたが、原因はわからないままだ。
実がなる前に枯れ果てた枝豆
続いて枝豆だが、我が家では農教室で余った種をもらってきて育てることにした。環境や育て方の違いがどう収穫に影響するか、比較しやすいだろう。プランターに少しだけ間隔を空けて種をまく。深さなどは畑でまいた時の資料を参考にした。
1週間ほどで芽が顔を出し、ぐんぐんと葉を増やながら伸びていく。幸先がよい感じでワクワクしていたのだが、その後あっという間に元気がなくなり、1カ月後にはなんと全て枯れてしまった。肥料も水もしっかり与えていたのになぜだ!?

ヒョロヒョロだけど元気そうだったのに……。
一方、農教室の枝豆は順調に育ち、7月上旬に収穫した。収穫前の畑を見に行くと、無農薬ならではの草ボーボー状態(草刈りをさぼっているのではなく追いつかない)だが、枝豆の枝にはぷっくりと太ったさやが鈴なりについている。人数分に分配されたものを枝ごと持ち帰り、家で枝から外して塩ゆでに。もちろんビールのお供にしました。


枝から外して洗った枝豆。食べきれないほどの量。
畑とベランダでどうしてこのような違いがあるのか、枝豆担当のリーダーに聞いてみたところ、「野菜でも花でも欲張っちゃダメ!」とのこと。8号鉢サイズのプランターなら3本くらいがよく、我が家の場合は明らかに密で、栄養の奪い合いになってしまったのではないかとの見立てだった。肥料も水もそれほど神経質にならなくてよいのだとか。すみません、来年はプランターを増やしてリベンジします!
【農教室一年生 今回の初耳ポイント】
●採れたてのじゃがいもは手で皮がむける
●枝豆もソーシャルディスタンスが大切
●無農薬の畑は野菜だけでなく生き物も草も超元気
文・横山珠世/セルフドクター編集室