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【AND PET】「食欲の秋」を楽しんでいますか?

11歳のおばあニャン(猫)の「ぼたん」と暮らす筆者が、ぼたんと暮らすことで見つけた心や体にいいことを伝える連載企画です。ペットの健康、ヒトの健康、共に暮らす幸せを再確認。

そもそもなぜ「食欲の秋」なのか

3年前の秋、山梨のワイナリーでたわわに実ったぶどうの収穫をお手伝いしました。

この季節、スーパーの目立つ場所にはピカピカに輝くサンマや全国各地で収穫された新米が並び、スイーツのお店ではぶどうやさつまいも、栗などを使ったケーキが登場。アレもコレも美味しくてつい食べ過ぎてしまい、体重計に乗るのが怖くなります。

 

「食欲の秋」といいますが、旬の食材が並ぶのはどの季節でも同じこと。なぜ秋だけ特別扱いなのでしょう。その理由には諸説あり、主だったものとして以下が挙げられます。生き物としての本能や生まれもった体の機能、さらには自然のリズムなど様々な要因が絡んでいることが分かります。

 

「食欲の秋」といわれる主な理由

①食べ物がより豊富に収穫される季節だから。

②暑さが和らぎ、食欲が戻るから。

③寒さへの備えに体が脂肪分などを蓄えようとするから。

④日照時間が短くなり、過度な食欲を抑えるホルモン「セロトニン」の分泌が減るから(※)

※「セロトニン」の分泌は食べ物を咀嚼することで促進されるため、体が「セロトニン」の分泌量を増やそうとしてたくさん食べてしまうとも考えられています。

 

食欲が増進するのだから体重が一番増えてしまうのも秋なのかというと、必ずしもそうとは限りません。少々意外でしたが、体重増加の傾向が見られるのは年末年始やゴールデンウイークなど長期の休みがとれる時期という説があります。旅行に出かけて美味しい物を食べたり、逆に家でのんびり過ごしたり、友人や親戚と集まったりする機会が増えることと関係していそうです。

 

また、夏は体重が減少する傾向があるようですが、こちらには薄着になる季節にダイエットする人が増えることも影響しているのではないでしょうか。暑い季節と寒い季節で比較すると、体温を一定に保つためにエネルギーをより多く使うのは寒い季節。汗をたくさんかく暑い季節の方がダイエットに向いているように思いがちですが、実は秋・冬の方がダイエットの効果が出やすいのです。

 

せっかく美味しい物を食べていても「太ってしまわないかな」「食べ過ぎたらどうしよう」などと思いながらでは楽しくありません。「食欲の秋」は「スポーツの秋」でもあります。せっかくなら、美味しく食べてしっかり運動もして、体重増加やそれに伴う体型変化に悩まずに過ごしていきたいものです。なかなか難しいのですが……。

猫にとっての「食欲の秋」とは

ぼたんのシルエットがぽってりしてくると、秋の訪れを感じます。

ぼたんのシルエットがぽってりしてくると、秋の訪れを感じます。

猫にとっても「食欲の秋」なのでしょうか。我が家の猫、ぼたんの場合、春から夏へと季節が変わる頃はお気に入りのごはんでも残すことが増え、暑さが和らぐ頃から完食するようになります。体重は食欲とシンクロするように増減し、さらに被毛が季節によって生え変わることから秋から冬はふっくらとした見た目になります。

 

「食欲の秋」といわれる理由から考えてみると、ぼたんは毎食ペットフードを食べているため①は関係なさそうです。猫の食欲とセロトニンの関係がはっきり分からないため④も何ともいえません。ただ、②③は関係があるのではないかと感じています。

 

猫と暮らす4人の友人に「猫たちの食欲は秋になったら増えているか?」と質問してみたところ、「秋になると食欲アップ!」と答えたのは1人。その家の2匹の猫はどちらも平均的な体重・体型で、ぼたんと同じような食欲と体重の季節変動があるそうです。逆に「いいえ」と答えた3人と暮らす猫たちは「いつも食欲全開!」「いつでも腹ペコ!」という状態なのだとか。ちなみに、その3人が飼っている計7匹の猫のうち4匹はなかなかの豊満ボディで、中には獣医師の指導のもとでダイエットに取り組んでいる猫もいます。

 

日本ヒルズ・コルゲート株式会社が獣医師を対象に2013年に行った「獣医師から見た『ペットの肥満』傾向調査」では、「来院する猫の肥満率は1~3割」と回答する獣医師が最も多いとの結果が出ています。そう考えると私の周りの猫たちの肥満率は少々お高めのような……。ぼたんはあまり太らない体質のようで、秋冬でも体重が4㎏を超えることはありません。猫の肥満は体重だけではなく皮下脂肪のつき方などからも判断されますが、体の大きさや体型からも適正だと獣医師には言われています。人間と同様に猫にとっても肥満は様々な体の不調の原因となるもの。ぽってりとしているのは可愛いのですが、過度にならないようきちんとコントロールしてあげたいと思います。

猫の肥満は、体重に加えて肋骨に触れられるか、上から見て腰のくびれがあるかなどで判断します。

猫の肥満は、体重に加えて肋骨に触れられるか、上から見て腰のくびれがあるかなどで判断します。

文・横山珠世/セルフドクター編集室

※コラム「AND PET」は隔週月曜日に配信します。

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