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第17話 土に触れる時間をより楽しくする、魅力的なガーデニンググッズ

ビタミンカラーの「除草ツール」に釘づけ

トマトやナスなど色鮮やかな夏野菜に比べると、秋の畑はほぼ緑色だなと感じていた立冬の頃。赤や黄色のカラフルなじょうろが並ぶショップの前で、ふと足がとまりました。中に入っていくとピンクやブルーのシャベル、黄色い手袋など、これまでに目にしたことのない色鮮やかなガーデニンググッズが並んでいます。そこは、渋谷スクランブルスクエア9階にあるガーデニングショップ「Wexthusetヴェクスセット。グリーンあふれるショップの中は、色やデザインに惹かれて買いたくなるガーデニンググッズばかりです。

店頭に並ぶ4色展開の「除草ツール」

中でも目が離せなかったのが、ピンク、青、黄色、赤というカラー展開の不思議な形をしたツールで、「これは、どうやって使うのですか?」と尋ねると、「草むしりに使う道具です」とスタッフ。すぐにタブレットを取り出して、草をガシガシむしったり土を耕したりする動画をみせてくれました。「あ~、夏に欲しかった~!」と購入を即決。“エルゴノミクス(人間工学)な北欧デザイン”という説明書きに惹かれたのはもちろんですが、何よりも4色のカラーがとても魅力的。どれをとっても畑仕事のテンションをあげてくれそうです。かなり迷って選んだのは、赤。畑に持参して雑草を残らず抜き取ろうと思います。

買ったばかりの「除草ツール」でベランダのじゃがいもの「土寄せ」

「Wexthusetヴェクスセット」は、北欧やヨーロッパのガーデニングアイテムを中心に展開するショップで、来年3月までの限定出店だそうです。オンラインで買えるとはいえ、やはり実物に触れられるリアル店舗はいいですね。まだまだ揃えたいアイテムがあるので、足繁く通うことになりそうです。

鮮やかなオレンジのプランターバッグ 

コンセプトに惹かれて購入した、家庭菜園ブランド「UETE」

コンセプトを伝える「UETE」のブランドブック

商品選びのポイントは、色やデザインはもちろんですが、ブランドコンセプトも購入を決定づける大きな要因です。つい最近、コンセプトに共感して、「イチゴの苗スターターセット」(現在は完売)を即買いしました。それは、「タキイのタネ」で180年以上の歴史をもつタキイ種苗株式会社がスタートした新たなブランド「UETE」です。「心地の良い、遊べる菜園」のキーワードとともに、自分で育て、収穫して食べる楽しさを味わうライフスタイルを提供しようとする姿勢が、とても心に刺さりました。ブランドサイトも実に丁寧に作られていて、最後まで読むと自然と「何か育ててみたい」という気持ちになるのが不思議です。

培土、肥料、苗、プランター、ひのき木綿、育て方マニュアルが入って3,890円

イチゴの栽培キットは、もっと手軽なものがたくさんありますが、この「UETE」のイチゴをぜひ育ててみたいと思い、4月の収穫に向けて早速植えつけ。ベランダのプランターがまた1つ増えました。1株で15粒ほどのイチゴが収穫できるそうなので、冬の間大切に育てたいと思います。

「UETE」のタグがついたプランターバッグ

コロナ禍で家庭菜園を始めた人が多い中、単なる栽培や収穫の体験を越えて、「食」と「農」の関わりに思いを寄せる人も増えてきたように感じます。家庭菜園ブームは10年に1度訪れるという説もありますが、今回ばかりはブームに終わるのではなく、ライフスタイルとして確立していく動きがより顕著になっていくのではないでしょうか。私も貸農園での栽培の「その先」を、そろそろ考え始めています。

東京自産自消

文・藤本真穂

ベランダと貸農園で栽培中の野菜を通して“食”を考える会社員。脚本家・向田邦子さんの暮らしを愉しむ生き方が理想。

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photo by Wataru Goto