· 

第18話 美味しく食べよう、収穫野菜!【前編】

農教室修了を前に、収穫のラストスパート!

農教室は年内で全てのカリキュラムが終わる。玉ねぎやにんにくなど冬を越す野菜もあるが、それ以外の野菜はどんどん収穫していく。さて、どのようにして食べようかな。

泥土の中から掘り起こす里いも

まずは4月に植えた里芋の収穫から。里いもの栽培のポイントは、保水性の高い土の畑で育てること。農教室の里いも畑は長靴の底に泥が分厚くこびりつくような粘土質で、確かにこれなら水持ちがいいだろう。牛糞、鶏糞、油粕を元肥とした畑に芽を上にして植えるが、芽は1つだけなので、植える時に折らないように注意する。

 

株間には同じく熱帯アジア原産で乾燥を嫌うしょうがも植えた。里芋としょうがは栽培時期がかぶる上に、どちらも乾燥を嫌う野菜。里芋の大きな葉が日陰を作るのもしょうがの成育に適しているという。

 

収穫では、最初に地表に出ている葉や葉柄を刈り取り、スコップで根元を掘り起こすのだが、正直に言って泥のかたまりにしか見えない。里いも自体も重い上にまとわりつく泥土も重いため、持ち上げるのも一苦労。ねっとりとした泥土をはがすように落とし、親いもから子いもや孫いもを外していく。じゃがいも、さつまいもの収穫がどれほど楽なものだったかを思い知らされる力仕事だ。

じゃがいも、さつまいもに続き、里いもも豊作! 残念ながらしょうがはのできは今一つ。

食べ切れないほどの里いもを持ち帰り、新聞紙で包んで常温保存する。煮物各種とけんちん汁、味噌汁、衣かつぎとレパートリーが少ないので、ネットのレシピ動画などを参考にして楽しんでいきたい。

定番のイカと里いもの煮物。イカが小さすぎた……。

朝食から夕食までフル出動のレタス

次は9月に種をまいたレタス。途中、鶏糞の追肥や土寄せなども行った。1株が大きく葉もパリッと育っていて見るからに美味しそう。葉物野菜はイモムシがつきものというイメージを持っていたが、季節のせいか虫食いも少ない。来年はベランダで育ててみようかな。

1株で直径20㎝のボウルがいっぱいになるくらいの大きさ。

1株持ち帰ったが、さて、これだけの量をどう食べるか。日持ちがしないイメージがあり、自分ではあまり買わない野菜なのだが、朝はタコミートなどと一緒にのせたトースト、昼はベーコンと軽く炒めてパスタ、夜は肉料理の付け合わせなどと意外と大活躍。根っこごと収穫したので、水を張ったボウルに浸けて1週間ほど鮮度を保つことができた。

 

<レタスの収穫レシピ>

●簡単!タコス風トースト

食パン…1枚

タコミート(市販品)…適量

ピザ用チーズ…食パンを覆うくらい

レタス…大き目の葉1枚

ミニトマト…2個

 

1.レタスはちぎり、ミニトマトはさいの目に切る。

2.食パンにタコミートとチーズをのせトースターで焼く。

 

3.2に1をのせる。アボカドをのせても美味しい。

立派に育った紅白の大根

レタスと同じく9月に種を蒔いた大根も収穫。「耕起十遍でひげ根なし」という言葉を教えてもらったが、これは、大根は畑を耕すほどできがよくなるという意味なのだとか。確かに、土の塊や石が混じっていると大根は真っすぐ形よく育たない。葉が広がったら収穫時期。

 

農教室では赤い大根と白い大根を育てており、赤い大根は1本、白い大根は2本持ち帰れることになった。ここで指導役から「どれを抜くか自分で決めてください。ただし、抜いてみて細かった、短かったからといって戻すのは厳禁!」との注意が。そりゃそうだろうと思うけど、みんなの大根を選ぶ視線が一気に厳しくなったのは言うまでもない。

赤大根は長さも短く、パッと見るとさつまいものよう。

大根は炒め物から煮物、味噌汁、サラダ、漬物に使える万能選手。赤大根も同じように食べていいのかな?と思っていたら甘酢漬けをおすすめされた。赤い皮には白い大根にはないアントシアニンという栄養素も含まれている。目の疲れの改善に少しでも効果があるといいな。

赤大根の甘酢づけ。調理前に数日置いたため大根にすが入ってしまった。

<大根の収穫レシピ>

●赤大根の甘酢づけ

赤大根…1/3本

酢…大さじ4

砂糖…大さじ3(好みで調整)

こんぶ…1片

塩…適量

ゆずの皮…お好みで

 

1.赤大根はよく洗い、皮つきのままいちょう切りまたは半月切りにし、塩を振る。

2.酢と砂糖、こんぶを鍋にいれて火にかけ、煮立ったら火を止めて粗熱をとる。

3.2に水気を切った1と刻んだゆずの皮を入れて1日程度漬ける。

後編はこちら

【農教室一年生 今回の初耳ポイント】

●里いもとしょうがはコンパニオンプランツ(共栄作物)

●レタスには春まきと秋まきがある

●赤大根、葉は緑色だけれど葉柄は赤で結構派手

農教室一年生

文・横山珠世/セルフドクター編集室