
服装も心も軽やかになる初夏に向けて、無駄な脂肪は落として、体も軽やかになりませんか?今回の特集は、年齢と共にやせにくくなったという人は必見です。メディアでも活躍中の話題のアンチエイジングドクター、日比野佐和子先生が今も実践している習慣を取り入れて、キレイと健康のどちらも手に入れましょう!前編の朝の習慣に続き、後編では日比野先生の昼の習慣、夜の習慣をご紹介します。前編はこちら。
ちょっとした動作も意識すれば筋トレになる
「仕事中は動き回っています。歩く時は姿勢よく小走り気味に。基本的には階段を使い、診察でイスに座っている時も、姿勢に気をつけています。正しい姿勢はインナーマッスルなどの筋肉を使うので、基礎代謝アップにもつながります」。
あえて筋トレの時間をつくらなくても、毎日の習慣で、筋肉は鍛えられる。それを先生自ら証明してくれています。
お昼ご飯は、手作り弁当を持参。ご飯は玄米か胚芽米、GI値※の低い油揚げを生地にしたピザ、そばを使ったアジア風冷麺など、血糖値やアンチエイジングを意識しながら、毎日メニューを考えているそうです。
日比野先生は40代になって、外食やコンビニ頼りの食生活を改め、食事は手作りすることを決意したそう。レパートリーも増え、食事作りも楽しい習慣にしている様子がうかがえます。
〝我慢〟がつきもののダイエットですが、強いストレスを抱えていると、血流を悪くし、代謝も低下。結果としてやせにくくなってしまいます。先生いわく、大切なのは〝ポジティブシンキング〟。楽しみ、前向きに取り組む姿勢は、心と体にプラスに働き、ダイエットにも効果的なのです。私たちも前向きな気持ちで体を動かし、食事を作り、食べることを習慣にしたいものです。
※ GI(グリセミック・インデックス)値とは、その食品がどのくらい血糖値を上昇させるかを示したもの。低いほうが血糖値は上がりにくい。
教えて!日比野先生の「昼」の習慣

<昼食は手作り弁当いろいろな素材をバランスよく>
血糖値を上げにくいGI値の低い食材、アンチエイジングに欠かせないビタミンA・C・Eを多く含む緑黄色野菜を常に意識。最近ではリコピン人参にはまっているそう。健胃作用や血流促進作用のある、スパイスをふんだんに使ったカレーもよく登場するそうです。食後の血糖値の急上昇を防ぐには、よくかんでゆっくり食べることも大切です。
<仕事をしながらプチエクササイズ>
猫背は老けて見える原因に。背筋力も低下してしまいます。「普段から意識して背筋を伸ばすようにしていると筋肉が締まってきますよ」。通勤時や勤務中の動作も、筋肉を意識して緊張させることで、立派なエクササイズに変えられます。たとえば、イスに座っている時は、背筋を伸ばし、意識的に下腹をへこませるように緊張させます。背筋やインナーマッスルが鍛えられ、腰痛予防にも。エスカレーター、エレベーターは使わず階段が基本。脚を通常より高く上げると、インナーマッスルが鍛えられ、下腹もすっきり。
<お腹がすいたらナッツを食べる>
「ナッツや玄米フレークを常に携帯しています」。お腹がすいた時の間食としてや、夜の会食前につまんで血糖値の急上昇を防いでいるそうです。ナッツの中でもおすすめは、いま話題のn-3系脂肪酸が豊富なくるみ。間食でも体が喜ぶ栄養素をしっかり摂るのがポイント!
質のよい睡眠がダイエットを成功に導く
睡眠不足になると、ホルモンの分泌が乱れて肥満や糖尿病のリスクが高まるなど、心身に様々な悪影響があることが明らかになっています。成長ホルモンの分泌も減るため、新陳代謝の低下や、太りやすさを招き、ダイエットの強敵となります。ただし、睡眠時間は長ければ長いほどよいかといえば、そうでもありません。
「今は、睡眠は長さではなく質が重要といわれています。質のよい睡眠は、ダイエットの強い味方になってくれますよ」。
夜は、よい睡眠のためのウォーミングアップの時間と考え、睡眠に悪影響を及ぼすブルーライトをシャットアウトするなど意識するようにしましょう。
教えて!日比野先生の「夜」の習慣

<夕食には体を温めるスープなどを>
赤ちゃんが眠くなると手足が温かくなるのは、手や足先の皮膚表面から体温を放出しているため。そうして深部体温を下げることで眠りにつくのです。夕食で体を温めてあげると、熱放散がスムーズで寝つきもよくなります。おすすめは温かいスープ。「冷蔵庫に残っている野菜をスープ仕立てにするとおいしくいただけますよ」。夕食は寝る2時間前までに済ませ、消化のよい物を選ぶのも大事なポイントです。
<寝る2時間前にぬるめの湯に浸かる>
「夜は38~40℃のぬるめの湯に15~20分浸かって、しっかり体を温めます」。熱い湯だと交感神経が優位になってしまうため、ぬるめの湯でリラックス神経の副交感神経を優位にすることがポイントだとか。「子宮や卵巣のある骨盤内の血液循環もよくなるので、更年期や月経に伴うつらい症状を和らげるのにもおすすめです。子宮筋腫や子宮内膜症の方にも入浴はすすめられています」。
<夜のストレッチでリラックス>
お風呂上がりには、全身の血流をよくするストレッチで心身をリラックスさせ、スムーズな入眠に。先生がよく行っているストレッチが、胸と背中のストレッチ。胸が広がるので、大きく呼吸しながら行うと深いリラックス効果が得られます。
日比野先生の朝・昼・夜の習慣は、すぐに実践できることばかり。先生の習慣を自分のものにして、ダイエットを成功させましょう。

監修/日比野佐和子(ひびの・さわこ)先生
医療法人康梓会Y’sサイエンスクリニック広尾統括院長。大阪大学大学院医学系研究科博士課程修了。医学博士。日本抗加齢医学会専門医。内科医、皮膚科医、眼科医。大阪大学大学院医学系研究科臨床遺伝子治療学講座特任准教授。現代医療を踏まえ、欧米のアンチエイジング医学、中医学、アロマセラピーなどを取り入れた診療で定評がある。アンチエイジングドクターとして各メディアで活躍中。