栗原先生に聞く!

血管の役割、血管のはたらき

“血管を見れば、ライフスタイルがわかる”というほど、ふだんの生活習慣は「血管」の状態に影響します。健康な「血管」でいることは、いつまでもイキイキと暮らすために欠かせません。そこで、「サラサラ血液」「ドロドロ血液」などの名づけ親である栗原毅先生が、「血管」について解説します。

  • 教えて!健康な血管ってどういう状態?
  • 放置はやめよう!カラダを老化させるボロボロ血管
  • あなたは大丈夫?血管年齢を高めるライフスタイル

教えて!健康な血管ってどういう状態?

見た目や実年齢ではわからない血管の年齢

私たちが生きていくために必要な酸素や栄養。それらをカラダのさまざまな細胞に届けているのが「血液」です。そして、その「血液」が通る道、それが「血管」なのです。だからこそ、「血液」だけでなく「血管」を健康に保っておくことが、健やかな毎日をおくるためには大切なことなのです。

最近、メディアでも頻繁に取りあげられる「血管年齢」という言葉。
これは、「血管」がどれくらいの年齢かを知る目安。「血管」を老化させる主な原因は年齢と生活習慣。「血液」や「血管」の状態を見れば、その人のライフスタイルがわかってしまうほど、日々の生活習慣は「血液」や「血管」の状態にあらわれます。たとえ実年齢が30歳であっても、血管年齢は50歳!・・・なんてことも考えられるのです。

ピチピチで弾力性のある血管こそ、元気のもと

健康な血管とは、しなやかさと高い弾力性がある状態:健康な「血管」は、「血液」の通り道がキレイに丸い管状になっていて、「血液」を正常に送り出すためのしなやかさと弾力性を保っています。

健康な「血管」というのは、しなやかで弾力性があるもの。
その、しなやかさと弾力性によって、「血液」がスムーズに流れ、全身に必要な酸素や栄養を十分に行き渡らせることができるのです。

しかし、「血管」は年齢とともに老化します。年をかさねるにつれて「血管」の壁が厚くなり、厚みが増すことで弾力性がなくなるため、しなやかさが損なわれてしまいます。
また、高コレステロールや糖分の多い食事、過度な飲酒や喫煙、運動不足などの生活習慣も、「血管」を老化させる原因となります。

老化した血管は、使い古したホースの状態

ボロボロ血管は古いゴムホースと同じ:老朽化してしまった「血管」は、こんな状態!ふだんから意識して、「血管」をピチピチに保つことが必要です。

「血管」が老化し、硬くもろくなっていくことを一般的に「動脈硬化」といいます。そして動脈硬化が起こると、「血管」の内腔は狭くなったり、それ自体がもろくなり、「血液」がスムーズに流れなくなります。
この状態は、例えるならばあちらこちらが変形し、破損している古いホースで水をまいている状態。ホースに生じるさまざまなトラブルで、水の出が悪くなっているのと同じ状況なのです。

では、このようにボロボロになった「血管」を放置しておくと、どのような状態になるのでしょうか。

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放置はやめよう!カラダを老化させるボロボロ血管

硬くなり、狭くなり、もろくなる!血管の危機

のぞいてみよう!これが傷んだ3つの血管パターン:【粥状(じゅくじょう)硬化】免疫細胞のひとつであるマクロファージがあつまり、「血管」の内腔を狭くしてしまっている状態です。 【血管壁の破裂】「血管」に亀裂が入っている状態。その亀裂を修復するために血栓があつまり、その血栓はやがてはがれてしまいます。 【血管の詰まり】はがれた血栓が流れ、もともと細くなっていた「血管」を詰まらせた状態。これは心筋梗塞などを引き起こすこともある危険な状態です。

「血液」と「血管」は、表裏の関係。「血管」の中を流れる「血液」がドロドロだと、全身のすみずみまで行き渡ることができないうえに、「血管」そのものの老化を促進させます。
このようにボロボロになり、弾力性やしなやかさを失うと、「血管」が狭くなる粥状硬化や、血管壁の破裂、そしてゆくゆくは「血管」の詰まりの原因に。

さらに「血液」はドロドロで、「血管」もボロボロの状態を放置すると、やがては脳卒中や心筋梗塞など、大きな病気を招く要因になるのです。これらの病気の症状によっては、寝たきり生活になってしまったり、さらに症状が悪化すると生命そのものに大きな影響を及ぼす状態にもなりかねません。

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心がけたいのは、毎日の食事。内容だけではなく、食べ方も大切!

「血管」は、ホースのように簡単に修理することができないもの。だからこそ、ふだんの食事やライフスタイルで、カラダの中からケアをすることが必要になってくるのです。

健康な「血管」のために、ふだんから行えること。それは、毎日きちんとした食事をとることです。「血管」にやさしい大豆製品、青魚、野菜、ネギ類、海藻、キノコなどは、できるだけ毎日とり入れるといいでしょう。とはいえ、すぐに変えることは難しい・・・。
そこで今日からできることとしてオススメなのが、しっかり「噛む」こと。噛むことは、『消化・吸収を助ける唾液が分泌される』、『食べ過ぎを予防する』、『集中力や記憶力がアップする』などの効果に期待大。まずは30回噛む。ゆっくりと時間をかけて、素材の味を楽しむように食事をするとよいでしょう。

健康診断で、血管の老化現象を見極めるには?

男性であれば30代、女性でも20代後半〜30代前半には、自分の血管状態に気をつけることが大切。健康診断で、以下の数値がチェックされた方は気をつけましょう。

  • 収縮期血圧が130mmHg以上、または拡張期血圧が85mmHg以上
  • 空腹時血糖が110mg/dl以上
  • HbA1c(ヘモグロビンエーワンシー)が5.3%以上
  • 中性脂肪値が150mg/dl以上
  • 総コレステロール値が220mg/dl以上
  • HDLコレステロール値が40mg/dl以下
  • 尿酸値が7.0mg/dl以上
  • ヘモグロビンが12.0g/dl未満
  • 血小板が15万個/mm3未満
  • AST(GOT)が41単位以上
  • ALT(GPT)が46単位以上
  • r-GTPが81単位以上

健康診断以外にも、ふだんのライフスタイルが結果的に血管年齢を高めていないかどうか、次ページでチェックできます。1つでも当てはまった方は要注意です。さて、あなたの血管年齢は大丈夫でしょうか?

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あなたは大丈夫?血管年齢を高めるライフスタイル

「自分だけは大丈夫」その過信が、血管老齢化の原因!?

ふだんから健康に気を使っているから大丈夫と自信のある人は、「血管の危険サイン10項目」をお試しください。自分のことだけではなく、ご家族のライフスタイルについてもチェックしてみましょう!なにげなく行っている習慣が、どれほど「血管」の健康状態に関係しているのか、驚くのでは・・・?

血管の危険サイン10項目

  • 朝食を食べないことが多い。
  • 夜食や間食を食べることが多い。
  • 料理を食べるスピードが早い。
  • いまの職場で、ストレスを感じることが多い。
  • 集中力がない。何事にも意欲がわかない。
  • 平均就寝時刻は午前0時過ぎである。
  • 3年以内に健康診断を受けたことがない。
  • 20歳のときより5kg以上体重が増えている。
  • タバコを1日10本以上吸う。
  • 車などを利用することが多く、あまり歩かない。

いかがでしたか?じつは、1つでも該当する項目があったら、気をつけなくてはなりません。
3つ以上あった方は、要注意です!

見た目ではわからない血管年齢は、ココをチェック!

お肌の状態はバロメーター

ふだんからお肌の状態を注意深く見ておくとよいでしょう。
お肌の調子も、「血管」の状態を知るひとつのバロメーターになります。

血行の流れが悪くなると、お肌にも不調があらわれます。お肌が荒れている場合は、「血管」の健康が損なわれている可能性もあります。

子どもだから・・・と安心してはダメ!

ファストフードやコンビニエンスストアなどの偏った食生活をしていれば、年齢に関係なく「血管」も傷んでしまいます。

塾やアルバイトなどで、生活時間も夜型になってしまっていることも原因のひとつ。“子どもだから大丈夫”は禁物。お子さんのライフスタイルにも気をつけましょう。

寝つき・寝起きは大丈夫?

家族の寝つき、寝起きはどうですか?就寝時間をチェックするのもオススメです。

寝つきが悪かったり寝起きが悪いということは、血の巡りが悪くなっている、すなわち「血管」が不健康な状態である可能性があります。

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栗原毅先生(栗原クリニック東京・日本橋 院長)

監修:栗原毅先生(栗原クリニック東京・日本橋 院長)
慶應義塾大学大学院教授。 医学博士。
1951年生まれ。北里大学医学部卒業。
1978年、東京女子医科大学消化器病センター入局後、おもに肝臓疾患の治療、研究にたずさわる。
東京女子医科大学教授を経て、2006年6月より、C型慢性肝炎に対するインターフェロン治療をはじめ、消化器病全般、メタボリックシンドロームなどの生活習慣病の治療を目的とした「栗原クリニック東京・日本橋」を開院。著書に『血管をピチピチに若返らせる本』『血液サラサラのすべてがわかる本』ほか多数。

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