お酒と上手につきあいたい

+お酒は楽しく、ゆっくり、適量を体に負担を、体に負担をかけない飲み方で

■ 悪酔いしないための10カ条



その1 笑いながら共に楽しく飲もう
 お酒は楽しく良い気分で飲みたいもの。適度な飲酒は心身をリラックスさせて、コミュニケーションや人間関係を円滑にしてくれます。そのためには、会話を楽しみ、食事を楽しみ、お酒の味を楽しみながら飲むのが一番。ウサばらしを目的としたり、ヤケっぱちな気分でお酒を飲むと、早く酔いたいと思う気持ちから飲むピッチが速くなり、適量をオーバーしてしまうことが多いので気をつけましょう。

その2 自分のペースでゆっくりと
 日本人の約半数は、有害なアルコール分解産物アセトアルデヒドを速やかに分解するALDH2型の活性が弱く、そのため、欧米人などに比べてお酒に弱い体質の人が多いのです。悪酔いしないためにも、また適量を守るためにも、自分のペースでお酒を味わいながら、ゆっくりと飲むようにしましょう。

その3 食べながら飲む習慣を
 空腹時にお酒を飲むと、アルコールは胃から腸に流れてすぐに吸収され、急激にアルコールの血中濃度が高くなって、酔いが早く訪れます。でも胃の中に食物が入っていれば、食物によってアルコールが腸に流れるスピードが遅くなり、胃からゆっくりと吸収されます。また、蒸留酒のようなアルコール濃度の高いお酒は、胃の粘膜を荒らして、胃炎や食道の潰瘍の原因になることがありますが、胃の中に食物を入れておけば、胃の粘膜を保護できます。できるだけ食べながら飲むようにしましょう。

その4 自分の適量にとどめよう
  体質によってお酒の適量には個人差がありますが、まったくお酒を飲めない人を除き、一般的には「ほろ酔い初期」の段階までがほぼ適量と言えるでしょう。これ以上の酒量を続けて飲んでいると、脂肪肝になりやすくなったり、さらには肝硬変になる可能性が高いとされています。また、種類の異なるお酒を取り混ぜて飲むチャンポンは、どのくらいの量を飲んだかカウントしにくくなるので注意しましょう。

その5 週に2日は休肝日を
 「休肝日」とは、お酒をまったく飲まないで肝臓を休める日のこと。連日、日本酒3合(ビール大瓶3本)以上の飲酒が習慣となっている人にはとくに必要です。1週間に1~2日の休肝日の設置は、アルコール依存症チェックにもなります。お酒をやめている日に何か症状が出たら要注意。寝つきが悪い、落ち着かずイライラする、手足が震える、汗をかくなどは離脱症状に相当します。また、寝酒が習慣化すると次第にアルコールの代謝が早くなり、量が増えていく傾向があります。アルコール依存症に近づく可能性が高く、注意が必要です。

その6 他人にお酒の無理強いをしない
 日本人の約1割を占める、ALDH2型がまったくない人はお酒をほとんど飲めません。これは生まれつきの体質であり、個人差のある体質を無視してお酒を無理に飲ませれば、生命に危険が生じる場合もあることを頭に入れておきましょう。また、イッキ飲みの強制も厳禁。血中のアルコール濃度が急激に上昇すると、呼吸困難などの危険な状態を引き起こす急性アルコール中毒の原因になります。

その7 薬と一緒には飲まない
 肝臓内の薬物代謝酵素のMEOSは、お酒と薬を同時に飲んだ場合、お酒を先に分解します。そのため、分解が後回しになった薬物の作用が強く出てしまいます。これは薬全体に言えることですが、とくに注意したいのが、昏睡状態を招く危険性のある睡眠薬や精神安定剤、血糖値の急激な下降による低血糖から、意識不明になることもある糖尿病の薬、胃の障害を起こす可能性のある鎮痛剤などです。

その8 強いアルコール飲料は薄めて
 胃の粘膜を傷つけて胃炎や食道炎などの原因となるアルコール濃度の高いお酒は、薄めて飲むようにしましょう。強いアルコール飲料は、アルコール依存症を生みやすいという報告もあります。焼酎、ウイスキー、ウォッカ、ジンなどをストレートでぐいぐいあおるのはやめましょう。

その9 遅くとも夜12時で切り上げよう
 お酒をまったく飲めない人を除き、一般的には日本酒1合(ビール大瓶1本)のアルコールが肝臓で代謝されるのに約3時間かかるとされています。お酒の適量の目安となる「ほろ酔い初期」の場合、日本酒2合(ビール大瓶2本)ですから、夜12時までに切り上げれば翌朝6時ぐらいにはお酒が代謝されている計算になります。この12時という時間はシンデレラの魔法が解ける時間とかけて「シンデレラ・タイム」と呼ばれています。かぼちゃの馬車ならぬ終電に乗って帰るためにも、12時というのはひとつの基準かもしれません。

その10 肝臓などの定期検査を
  お酒を飲めば、アルコールを処理する肝臓に負担がかかるのは当然です。肝臓は、胆汁の生成、糖や脂肪、タンパク質の代謝および貯蔵、毒物の分解などを行う働きものの臓器ですが、「沈黙の臓器」などと呼ばれるように、異常が生じてもなかなか自覚症状が出にくいところ。お酒を飲む人は自覚症状の有無にかかわらず、1年に1度は定期検診を受けましょう。

■ 二日酔いには特効薬なし!

 二日酔いの原因はいうまでもなく飲み過ぎ。頭痛、吐き気、胸やけなどの症状は肝臓で処理されないままの有害なアセトアルデヒドをはじめ、胃腸障害や脱水などが重なって起こります。二日酔いに特効薬はなく、何といっても飲み過ぎないことが大前提。二日酔いになったら、静かに寝ているのがいちばんです。
 また、水分バランスが崩れているので水分を多めに摂りましょう。果糖はアセトアルデヒドの分解に役立つので、果物はどんどん食べてください。そして、飲み過ぎで荒れた胃腸のためには、症状に合った胃腸薬を。迎え酒は二日酔いの症状を先送りするだけで、アルコール依存症につながりかねないので絶対禁止。
(1) 水分を十分摂り、安静に
(2) 症状に合った胃腸薬を服用
 以上、2点を忘れずに!