質のいい眠りを手に入れたい(1)

健康を維持していくために欠かすことのできない睡眠。個人によって睡眠時間には差がありますが、大切なことは時間の長さではなく、どれだけ熟睡できたかによります。眠りのメカニズムや不眠の原因、質のいい眠りを手に入れるためのポイントを紹介します。

寝室の環境・寝具・就寝前の習慣を見直しましょう
寝る子は育つ 美人は夜作られる

私たちは日中絶え間なく活動しています。その間に酷使され、オーバーヒートした大脳を休めるのが睡眠です。同時に睡眠には、成長ホルモンを分泌させる、表皮細胞の分裂を活性化させるといった働きもあり、ここから「寝る子は育つ」「美人は夜作られる」などの格言が生まれたといえるでしょう。睡眠中の体内ではこうした細胞の活性化に加え、エネルギーとなる栄養分が貯えられ、老廃物が除去されています。その結果、疲労を回復するという効果が得られるわけです。
 睡眠には「脳の眠り」といわれる「ノンレム睡眠」と、「体の眠り」といわれる「レム睡眠」の2種類があります。就寝後すぐに現れるのが深い眠りであるノンレム睡眠で、その後に眠りが浅くなってレム睡眠が現れます。これが1セットになって約90分、一定のサイクルで一晩に4~5回繰り返されています。

質のよい眠りを得ることが大切

健康の3大要素である栄養、睡眠、運動の中で、唯一自分の意志でコントロールできないのが睡眠。なぜなら睡眠は、夜になると眠り、朝になると目覚めるという人間の生体リズムに従ったものだからです。眠らずにはいられない私たちにとって、質のよい眠りを得ることは欠かせません。
 人それぞれが必要とする睡眠時間には個人差があります。ですから質のよい眠りを考える上で一番大切なのは、時間の長短よりも熟睡できたか、朝スッキリ目覚めることができたか、といった内容です。一般的に質のよい眠りと考えられているのは、1~2回目のノンレム睡眠時に深い眠りに到達し、途中で目覚めることなく、最後にレム睡眠を経て目覚めるというパターンです。眠りの浅いレム睡眠からだと、朝スッキリと目覚めることができます。
 質のよい眠りを得るためには、約90分ごとに現れるレム睡眠時に目覚めるよう睡眠時間を逆算して設定することです。そしてその睡眠時間をできるだけコンスタントに保つこと。睡眠は貯金できません。どうしても睡眠不足が避けられず、体が睡眠を要求したときは、昼寝をするとよいでしょう。ただし、昼寝で何時間も寝てしまうと、夜の睡眠に影響が出てしまいます。テレビを見ながらや、乗り物に揺られてうとうととする約10分~15分でも、多少なりとも睡眠不足を解消する効果が得られます。
 また、体温が下がると眠くなり、上がり始めると覚醒するというのが人間の生体リズムです。体温の日内変動幅は、0.5~1度ぐらい。夕方が一番高く、夜にかけて下がり、明け方にいちばん低くなって、また上昇します。ただし日中の活動量が少ないと夜になっても体温が下がらず、寝つきが悪くなります。ですから睡眠の前に体温を調節することも大切。軽い運動や入浴などで体をいったん温めると、それが冷めていく間に眠りにつきやすくなります。

睡眠環境の見直しが不眠解消への第一歩

興奮したり、ストレスを感じたり、体調が悪いときなどに眠れないという経験は多くの人が持っているはずです。問題なのは、不眠が慢性化しているかどうかということ。不眠症には、寝つくのに時間がかかる(入眠困難)、途中で何回も目が覚める(中途覚醒)、朝早く目が覚めてそのまま眠れない(早朝覚醒)、充分に眠った気がしない(熟眠困難)の4タイプがあります。こうした症状が続くようならば不眠の原因を探り、それを改善しなければなりません。
 不眠をもたらすものとしては、騒音、光、温度・湿度といった外的原因、ストレスなどの心理的原因、精神や体の病気などが考えられます。そのうちの外的原因や心理的原因は睡眠環境を改善することで取り除かれるケースが多々あります。まずは寝室の環境、寝具、就眠前の習慣などを見直してみましょう。そして、朝、夕方、夜の1日3回体温を測るなどして自分の体のリズムを知り、心身ともにリラックスした状態で眠りにつけるようにしてください。
 睡眠の質は加齢とともに変わるもので、だれしも年をとるにつれて眠りが浅くなっていきます。そうした点もふまえ、まずは睡眠環境を見直すことから始めて、睡眠不足や不眠を解消し、質のよい眠りを得るようにしましょう。

質のいい眠りを得るためのポイント 生活習慣編