正しく理解して、薬と上手につき合おう 薬が体に効く仕組み

薬が体にどのように作用するか、その仕組みを正しく理解していますか。
今回の薬育レッスンでは、内服薬が体内に入ってから効きめが現れるまでの流れを通じて用法・用量を守ることの大切さを解説していきます。

目次

データ解説

「市販薬について、服用する人の年齢、症状に合わせ、配合される成分が異なることを知っていますか」という質問に対して、48.7%が「知っていて、意識して購入している」と回答。ただし、購入の決め手としては、成分名以上にパッケージの表書き(効果・効能・効きめのイメージ)を重視する傾向が見られた。また、男女別で見ると、成分が異なることを「知らない」という男性が女性の2倍に。コメントからは、一般用医薬品の服用に関する不安や疑問が多く聞かれた。

のんだ薬は体の中でどうなるの?

有効成分が肝臓から血液中に入り、患部で作用します
一般に、のんだ薬は胃で溶け始めて小腸で吸収され、いったん肝臓へと運ばれます。そして、血流に乗って全身へ送られて目的の部位で効果を発揮します。その後、時間の経過に伴い再び肝臓で分解され、腎臓から尿として体外に排泄されます。薬が作用する第一段階である胃までしっかりと薬を流し込み、成分を溶かすためには、コップ1杯程度の水と一緒にのむことが大切。ある程度の水分がないと薬の成分がしっかりと溶けません。うまくのみ込めずのどにひっかかり、溶け出してしまうとその部分が刺激で炎症を起こす場合もありますので注意しましょう。

のむ量や回数は、状況や症状に合わせて加減してもよいのでしょうか……。

用法・用量を守ってはじめて有効性や安全性が保たれます
薬の血中濃度とは血液の中に含まれている薬の濃度のことで、その濃度によって効果の現れ方が決まります。薬の用法・用量は、血中濃度が安全かつ効果的な範囲内に保たれるように設計されています。従って、自己判断で量を加減したり、時間を守らずにのむと血中濃度が範囲外になり、期待される効果が得られないだけでなく、副作用を引き起こすこともあります。例えば仕事の都合で1日に複数回、決められた時間にのむことが難しいなどの場合は、薬剤師に相談して1日1~2回でも効果が出るようなタイプに変えるなどの工夫をしましょう。

私より背が高いうちの息子、小学生だけど大人用をのませたほうがよいですか。

成長段階にある子どもは薬を分解する力が弱いので注意しましょう
子どもを大人のミニチュアと捉え、体格だけの問題だと思っていませんか。15歳までの子どもは成長段階にあり、薬を分解する機能を持つ肝臓の働きも十分ではありません。ですから、たとえ子どもが大人と同じ体格に見えたとしても、大人の量の薬を分解することができず、強過ぎてしまうのです。さらに、大人用の薬には子どもに使用してはいけない成分が含まれている場合があり、子どもにのませると思わぬ副作用を引き起こす危険も伴います。小児の用法・用量が記載されていないものは、子どもが使ってはいけない医薬品です。絶対に服用させないでください。

もっと薬が分かる Q&A

  1. 薬にいろいろな形があるのはなぜ?
    例えば、内服薬に錠剤、カプセル、粉薬(散剤)、液体などがあるのは、のみやすさや効果を最大限引き出すための工夫です。固形剤には苦い味を隠したり、のみ残しの心配が少ないといったメリットが、液剤はのどを通りやすいので子どもや高齢者にものみやすいなどの特徴があります。自分が使いやすいものを選ぶのが基本ですが、どのタイプがよいか分からない場合は薬剤師に相談しましょう。

  2. 食前・食後・食間っていつのこと?
    薬を安全に効果的に使うためには、用量と共に服用の回数、時間を守ることが大切です。食前は食事の30〜60分前、食後は食事を終えてから30分以内、食間の目安は食後2時間程度。そのほかにも服用時間が特別に設定されている薬などもあるので、のむ前にきちんと確認することが必要です。

  3. 薬をうっかりのみ忘れてしまったら?
    薬は用法・用量を守ってはじめて効果を発揮するものです。ですから、「のみ忘れたらどうするか」の前に、のみ忘れない工夫をすることが重要です。万が一、のみ忘れたときは、一般的にはのみ忘れた分は抜いて次から通常通りのむようにします。ただし、発作を抑える薬などはこれに準じません。薬をもらうときに、念のため「のみ忘れたときはどうしたらよいか」を確認しておきましょう。