医薬品の役割と効く仕組み

「医薬品を正しく使用すること」は、病気を治したり健康を維持したりする上でとても大切なことです。2012年春から本格的に全国の中学校で医薬品の教育が始まるなど、教育の現場でも改めてその重要性が認識されています。私たちが知っておくべき薬の基本を学び、セルフメディケーションに役立てましょう。

目次

自然治癒力をサポートする医薬品の本当の役割

私たちの体には本来、健康維持や病気、けがを回復させるために働く「自然治癒力」が備わっています。この能力は、日々健康的な生活を心がけることでよく働きます。ところが、食生活の乱れや不規則な生活、ストレスなどによって自然治癒力が低下すると病原菌の侵入を防ぐことができず、回復が遅れたり、症状が悪化するなど、体に不調を来します。
この時に、健康な状態に早く戻れるよう補佐的な役割を果たすのが医薬品です。医薬品は病原菌を殺したり、痛みや熱を抑えたりすることで自然治癒力をサポートします。
このように、「医薬品だけで病気やけがを治す」のではなく、私たちが備えている自然治癒力が大きな役割を担っていることを覚えておきましょう。心身が健康な状態であれば、たとえ病原菌が侵入しても速やかに自分の力で健康な状態を保つことができます。自分の健康を守る主役は、あなた自身なのです。

薬は吸収・代謝され血液に乗って患部に運ばれる

一般に、口から入った薬は、胃で溶け始めて小腸で吸収され、血管を通って肝臓へ運ばれます。その後、血液に乗って全身を巡り、患部で効果を発揮します。最終的に、薬の成分は腎臓から尿として排泄されます。

薬の効果と安全性は血中濃度で決まる

薬の用法・用量は、薬の「血中濃度」が安全かつ効果的な範囲内に保たれるように設計されています。血中濃度とは、血液の中に含まれている薬の濃度のこと。その濃度によって効果の現れ方は決まります。
血中濃度が低過ぎると効果が得られず、逆に適正範囲を上回り、高くなり過ぎると副作用を引き起こすこともあります。用法・用量を守ることは薬を使用する上で大前提であることをしっかりと認識しておきましょう。

大人のくすり検定①

理解度をチェックしましょう。 ※今回の「大人の薬育レッスン」から出題しています。 復習にお役立てください。
  1. Q1 自然治癒力の説明で間違っているのは?
    1. 元来、人に備わっている能力である
    2. 病気やけがを治す力はない
    3. 不規則な生活は自然治癒力を低下させる原因となる
  2. Q2 薬の説明で間違っているのは?
    1. 口から入った薬は患部だけに届く
    2. 自然治癒力を助ける効果がある
    3. 時間が経つと尿として体外に排泄される
  3. Q3 薬の服用に関する説明で正しいのは?
    1. 早く効果を得たい場合は、量を増やす
    2. 体格や症状に合わせて自己判断で変えてもよい
    3. 用法・用量は必ず守る必要がある
  4. Q4 血中濃度に関する説明で間違っているのは?
    1. 血液中の薬の濃度のこと
    2. 高いほど効果が高まる
    3. 時間と共に低下する

正解 Q1:2 Q2:1 Q3:3 Q4:2