Q09 魚の脂肪が中性脂肪に効果的って本当?

EPAは中性脂肪値を下げる働きがあります

近年の研究により、魚の油に含まれるEPA(エイコサペンタエン酸)が、中性脂肪の対策に有効であることが分かっています。
EPAは脂質の主成分である脂肪酸の一種です。
脂肪酸は、その組成により大きく「飽和脂肪酸」と「不飽和脂肪酸」に分類されます。飽和脂肪酸は肉類や乳製品などの動物性脂肪に多く含まれ、摂り過ぎるとコレステロールを増やす原因になりやすい脂肪酸です。
一方、不飽和脂肪酸はオリーブ油などに多い「一価不飽和脂肪酸」と植物性脂肪や魚の油に多い「多価不飽和脂肪酸」に分けられます。不飽和脂肪酸にはコレステロールを減らす働きがあり、一価不飽和脂肪酸よりも多価不飽和脂肪酸のほうがその働きが強いといわれています。
多価不飽和脂肪酸はさらに、「n-3系」と「n-6系」の2系統に分けられます。EPAは「n-3系多価不飽和脂肪酸」の1つです。
EPAは、次のような作用によって中性脂肪値を下げ、動脈硬化を予防・改善します。
●悪玉コレステロール(LDLコレステロール)を減らし、善玉コレステロール(HDLコレステロール)を増やす。
●血小板の凝集を抑制し、血栓がつくられにくくする。
●動脈の弾力性を保持する。
●炎症を抑える。
EPAはこの他にも、高血圧、アレルギー性疾患、炎症性疾患などの予防・改善に効果があります。食事では脂肪の摂取量を単純に減らすのではなく、脂肪の種類を選び、バランスよく適量を摂ることが大切です。

【北極圏の先住民族とEPA】

北極圏に住むイヌイットには心筋梗塞や脳梗塞で死亡する人が少ないことが知られていました。イヌイットの食生活と血液を調べた結果、彼らは魚やアザラシの肉を毎日多量に食べており、血液中にはEPAが多いことが分かりました。これにより、EPAを多く摂ることで心血管系疾患を予防できることが明らかになったのです。